数次相続とは?
数次相続(すうじそうぞく) とは、相続が発生した後、その 相続人が遺産分割をする前に亡くなり、さらに新たな相続が発生することを指します。
簡単に言うと、相続が完了する前に、次の相続が発生するケースです。
数次相続の発生例
ケース1:父の相続中に母が亡くなる
- 父(A)が死亡し、母(B)と子(C)が相続人となる。
- 遺産分割協議が終わらないうちに、母(B)も死亡する。
- 母(B)の相続が発生し、Bの相続人である子(C)や他の親族がさらに相続する。
➡ このように Aの相続とBの相続が連続して発生 し、Bが受け取るはずだった遺産をCがまとめて受け取る形になります。
ケース2:祖父の相続中に父が亡くなる
- 祖父(A)が死亡し、父(B)と叔父(C)が相続人となる。
- 祖父の遺産分割が終わらないうちに、父(B)も死亡する。
- Bが受け取るはずだった財産を、Bの相続人(例えば子のD)が相続する。
➡ 祖父の相続と父の相続が連続して発生 し、最終的に孫(D)が相続することになる。
数次相続と代襲相続の違い
| 項目 | 数次相続 | 代襲相続 |
|---|---|---|
| 発生のタイミング | 1回目の相続の後に2回目の相続が発生 | 1回目の相続が発生する前に相続人が死亡 |
| 相続の対象者 | 亡くなった相続人の相続人 | 亡くなった相続人の子(孫・ひ孫) |
| 具体例 | 父の相続手続き中に母が死亡し、母の相続が発生 | 父が祖父の生前に死亡し、孫が祖父の遺産を相続 |
数次相続の影響
- 手続きが複雑になる
- 遺産分割協議が必要な相続が2回発生するため、手続きが煩雑になる。
- 相続人の人数が増えることがあり、協議が難航しやすい。
- 相続税の負担が増える可能性
- 2回の相続が連続して発生するため、相続税が繰り返しかかることがある。
- 一定の控除や特例(例:配偶者の税額軽減)が使える場合もある。
- 相続放棄や遺産分割の対応が変わる
- 最初の相続で相続放棄をするかどうかが、次の相続に影響を与える。
- 1回目の相続で遺産分割が完了していないと、2回目の相続で相続人が増えてしまう可能性がある。
数次相続を防ぐための対策
✅ 遺言書を作成する
- 事前に遺言書を作っておけば、相続手続きをスムーズに進められる。
✅ 速やかに遺産分割協議をする - 遺産分割が遅れると数次相続が発生しやすくなるため、早めに話し合う。
✅ 相続税のシミュレーションを行う - 連続した相続が発生すると税負担が大きくなるため、税理士に相談するのも有効。
まとめ
数次相続は、最初の相続手続きが終わらないうちに相続人が亡くなり、次の相続が発生することを指します。
これにより手続きが複雑になり、相続税の負担が増える可能性もあります。
スムーズな相続のためには、遺言書の作成や早めの遺産分割協議 が重要です。
具体的なケースについて相談したいことがあれば、お気軽にどうぞ! 😊
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