自社株(自社の未公開株)が未分割のままであることには、いくつかのリスクがあります。主なリスクを以下に整理します。
1. 相続時のトラブル
自社株が細かく分割されていない場合、オーナーが亡くなった際に相続人間で株式をどのように分けるかが問題になります。
- 株式は物理的に分割できないため、相続人の間で対立が生じる可能性がある。
- 事業承継がスムーズに進まず、経営の混乱を招くこともある。
2. 株式の流動性の低下
株式が未分割のままだと、売却や譲渡の際に調整が難しくなります。
- 一定の割合で売却したくても、小口での売買がしにくい。
- 投資家や従業員に分配したくても、細かく分けることができない。
3. 税務上の不利
未分割の株式は税務上の評価が高くなりやすく、相続税や贈与税の負担が大きくなる可能性があります。
- 分割しておけば、部分的な贈与などで税負担を分散できるが、それが難しくなる。
4. 支配権の問題
株式が未分割のままだと、特定の人が大株主となり、経営の意思決定が一極集中する可能性がある。
- 逆に、後継者に分割しておかないと、支配権が不安定になるリスクもある。
5. 従業員へのインセンティブ設計が難しい
従業員持株制度(ストックオプションなど)を導入する際、細かい単位で株式を発行できないと、適切なインセンティブ設計が困難になる。
対策としての分割の検討
- 株式分割を行い、小口の単位にしておく。
- 持株会の設立で、従業員や役員に適切に配分できるようにする。
- 事業承継対策として、後継者に計画的に譲渡できる体制を整える。
未分割のリスクを放置すると、事業継続や経営安定に悪影響を与える可能性があるため、早めに対応を検討するのが望ましいです。
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