日本で化粧品を製造・輸入・販売するには、薬機法(旧・薬事法) に基づき、適切な許可や届出が必要です。業務内容によって必要な許可が異なるため、以下に分けて解説します。
1. 化粧品業に関する主な許可・届出
① 化粧品製造業許可(製造する場合)
化粧品を製造する場合、「化粧品製造業許可」 が必要です。製造の形態によって以下の2種類に分かれます。
| 製造形態 | 必要な許可 | 説明 |
|---|---|---|
| 製造(全工程) | 製造業(一般区分) | 原料の混合、充填、包装などを行う |
| 包装・表示・保管のみ | 製造業(包装・表示・保管区分) | 他社が製造した製品を充填・包装する |
取得条件:
- GMP基準(適正製造基準)を満たす設備や品質管理体制が必要
- 責任者(総括製造販売責任者)が必要
申請先:
- 都道府県の薬務課 へ申請
② 化粧品製造販売業許可(販売する場合)
化粧品を市場に出すためには、「化粧品製造販売業許可」 が必要です。この許可を持つ会社が**販売元(責任者)**として流通させます。
取得条件:
- GVP基準(適正製造販売基準) に基づく管理体制の整備
- 総括製造販売責任者の設置
- 資格要件:薬剤師、化学系大学卒業者など
申請先:
- 都道府県の薬務課
③ 化粧品輸入届(海外から輸入する場合)
海外から化粧品を輸入する場合は、化粧品製造販売業許可を取得した上で「化粧品製造届」 を提出する必要があります。
手続きの流れ:
- 輸入予定の化粧品が薬機法の基準に適合しているか確認
- 化粧品製造販売業許可を取得
- 製造届を提出
- 必要に応じて成分分析・安全性試験
- 販売開始
注意点:
- 日本で認められていない成分が含まれている場合、輸入できない
- 成分表示やラベルは日本の基準に合わせる必要あり
2. 許可が不要なケース
以下のようなケースでは、上記の許可が不要です。
- 他社が製造販売した化粧品を仕入れて販売する場合(小売業者として販売するだけ)
- 個人輸入(自分で使う目的)
ただし、化粧品を個人輸入して第三者に販売するのは違法 です。
3. 許可申請にかかる費用・期間
| 許可の種類 | 費用(目安) | 取得までの期間 |
|---|---|---|
| 化粧品製造業許可 | 10~30万円 | 1~3ヶ月 |
| 化粧品製造販売業許可 | 20~50万円 | 2~4ヶ月 |
※ 申請手数料のほか、設備投資や管理体制構築の費用がかかる場合があります。
4. その他の関連法規
- 薬機法(旧薬事法):化粧品の品質・安全性に関する基準
- 景品表示法:誇大広告や虚偽表示の禁止
- PL法(製造物責任法):製品の安全性確保、事故発生時の責任について
5. まとめ
✅ 製造するなら「化粧品製造業許可」(全工程 or 包装・保管のみ)
✅ 販売元になるなら「化粧品製造販売業許可」(輸入販売も含む)
✅ 輸入する場合は「製造販売業許可 + 製造届」
✅ 仕入れて販売するだけなら許可不要
化粧品ビジネスを始める場合、どの業務を行うのか を明確にし、適切な許可を取得することが重要です!
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